メニュー
3-6-35mahorobakanⅡ-A, Kokufu,
Joetsu-shi, Niigata, 942-0082, Japan
コラム
column

断熱材は何がいい?

先日の打ち合わせの中のひとコマ。 「断熱材のセルロースファイバーやグラスウールは性能が低いし、濡れると性能が悪くなるからダメって聞いたのだけど、どうなんですか?」 設計中(もう大詰め)のクライアントのため、弊社仕様のセルロースファイバーに疑問を持っているとかではなく、ただ単に以前どこかの会社で言われたことが 気になったので考え方を聞いてみたかったようだ。

この会社?営業マン?は何を持って「ダメ」と言ったのか想像はできないけど、発泡ウレタンやパネル工法などの仕様らしく、単に自社仕様が優れているというのを間違った解釈で伝えてしまっているようだ。

根本的に断熱性能といのは素材で決まるものではなく、素材と厚み両方が影響しあって決まるので、どの断熱材が良くてどの断熱材が悪いなんてことはない。 性能の良し悪しは断熱材で決まるのではない。 素材の性能が半分違えば(現実には倍ほどの差はない)厚みを倍使えばいい。 厚みを増す方がコストも施工も現実的。

濡れると性能が悪くなるというのは、グラスウールは間違いないけど、壁や屋根、天井では安易に濡れる要素が見当たらないので、これも正しくはない。 一つ問題なのは壁体内結露という問題があるけど、それには防湿シートや湿気を透湿抵抗抵抗という値で求めたりしながら結露を防ぐことで解決出来る。 グラスウールは施工の難度が高く、施工技術や知識が職人さんや現場管理に求められるだけなのです。

発泡ウレタン系も一長一短、パネル系も一長一短。ここでは割愛。 どれが優れて、どれが悪いというわけではなく、その会社の技術や考え方によるものなのです。

強いて一つだけ言えば「あっちは悪くてウチのが優れている」という営業トークを使うところは、知識、勉強不足、住宅愛がなくて売りたいがための口実であり、避けた方が無難であるということ。

(セルロースファイバーの施工の様子)

(防湿気密シートの施工の様子)

セルロースファイバーを弊社で標準仕様しているのは、厚みを自由に変えられたり、断熱ラインをつなぎやすい(断熱は外面をすっぽり覆うことが必須)施工性の良さと、隙間が生じにくいということ。 また、セルロースファイバーは古新聞のリサイクルということで、自然素材の家を扱う暮らしの工房の家としても相性がいい。 だけど2階の外に面する床や基礎にはボード状のウレタン系も使うし、適材適所、施工性を考えて使い分けながら、ハイスペックな断熱性能を確保しています。

以前、パネル工法の営業で話を聞きましたが、パネル工法では弊社の求める標準スペックまで満たすことが出来ない(オプション追加で追いつく)ことが判明。 高いフランチャイズ料、使用料を出してまでする必要なしと判断。 パネル工法のいいところは、職人さんや現場管理の技術や知識が不足していても、一定の国の基準のところまでは性能が担保出来る。誰でも簡単にある程度性能が出る。という、現代の住宅の底上げの一助になっていると思います。 まぁ、ここでも「この工法だから大丈夫。他はダメ。」と聞いたら疑った方がいいけど(笑)

なんにせよ、一つの判断基準としては、しっかりしている会社は、自社の標準性能と社会的要請、基準を照らし合わせたポジションを客観的に伝えることが出来ると思いますし、性能を上げる分にはコストとの兼ね合いもありますが出来ます。

性能値の競争ではなく、しっかりと現状を把握していろいろと提案出来るとことが、住宅会社の一つの判断基準としていいと思います。

住宅は難しいです。 いいところが見方を変えれば悪くなり、常に両極を持っていると思います。 これは何も家に限ったことではありませんが。 インターネットなどで情報を知れば知るほど、両極を見れるので、余計わかりづらくなるのも事実。 そこで求められるのはやはり、プロとしての知識や技術、思想、想いなのだと思います。

しっかりとした住宅(性能も耐久性もデザインも)を残すことが、私たち住宅会社の社会に対する使命です。 クライアント一家族一家族のために、しっかりと住まいを提供しなければと、改めて思います。


関連記事
  • 家づくり教室~土地を探る~

  • 無垢の木の床はめちゃくちゃ傷がつくが。。。

  • 家の灯りとインテリアの関係

  • 薪ストーブで火のある暮らし。

  • 普通の家をつくる。非日常をつくる。

この記事をシェア