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コラム
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家づくりの色の決め方。

先週家具打ち合わせをして、標準仕様といってもいいほど定番化しているオリジナルソファのファブリックの候補を決めました。 ある程度要素を絞って、空間に合う素直な配色をご提案し、その中から見て頂きます。

今回は使ったことがない新色の茶系をチョイス。 少し大きめなサンプル生地をとって、最終確認します。 なかなかあたたかみがあり、落ち着きもありいいのではないでしょうか? 色の見本の小さな切れ端よりも、面積が大きくなると明るめに感じてしまうのが人間。そんなことを考慮しながら考えていきます。

家を建築する上で、こういった色の確認をする時がたまにあります。 暮らしの工房では使うことがないですが、いろいろなバリエーションを揃えたビニールクロスや、窯業系などの外壁、シート張りされた建具など、既製品などを使う家づくりでは山ほど色決め致します。 この業界に入った頃は、そんな色決めばかりで、家づくりってなんなんだろう…って思ってました。

いいとも思えないものを、ただ表面上の色やプリントだけで提案して決めていただく。 提案する方も、選ぶ方も、一見、さもわかったふりをして、納得して選ぶ。 自身を持った人であれば、「センス抜群なコーディネーターです」と自身満々なオーラで誘導していくのであろうけど、そもそも擬似製品では出来上がると結局、残念な空気感にしかならないから、そんなやりとりが苦痛でしかなかった。そんなものを見ても自信にはならなかった。 そんな色決めだらけの家づくりがいいと思えてないし、どう頑張ってもカッコ悪いのだからなおのことです。

だからこそ今私が行う家づくりは、暮らしの工房の正解を持ってのぞんでいます。 それは市場に用意された商品の中から正解を導き出すのではなく、暮らしや生活、環境において必要なことや素直なことが正解となるように。 素材は素直か?色の役割はどんなことか?形は簡素か?材料の特性は?など、感覚とは違うところで正解を求めるようにしています。

そうすることで、コントにありそうなお互いわかった風のやりとりで取り繕わなくてもいい。

何より「飽きのこない」というのは、無難が一番とか単純なことではなくて、多角的に理由づけされた根拠があることが大事であると考えています。 普遍的な住まいを目指すにはなくてはならないことです。


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