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コラム
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家づくり教室~家の大きさを考える~

家づくりをするにあたり、大きさはどのようにするか? これは家づくりをする人には、どれぐらいの大きさが適当か見当しづらいように思います。 LDKは20畳は欲しいなぁ… 寝室は10畳はいる… 子供部屋は6畳で… など、日本の昔からある大変わかりやすい畳の枚数で、部屋の大きさを表現するのことに馴染みがあるのではないでしょうか。 そうすると、家全体の大きさ(何坪)が把握できなくても、部屋の大きさは把握できるし、一般的です。 また最近は「小さな家」というのがブームでもあり、目が行き届き、管理しやすく、掃除しやすい、光熱費が大きな家よりもかからないというメリットで、「大きな家はいらないから小さな家がいい」という評価が起こる時代にもなりました。 モノに溢れた現代、シンプルに暮らすという豊かさの評価が見直されていることだと思います。

結果的に、他と比較しコンパクトな家を多く手がけている暮らしの工房には、「小さな家がいい」と望まれ、期待して依頼してくれるお客様が増えています。(あくまで結果的に小さいのであって、最初から小さい家の設計しかしない。のではないのです…依頼があれば大豪邸だって…笑)

それでは、なぜ暮らしの工房の家はコンパクトになるのかを少し解説しようと思うのですが、家の最適なサイズってどれぐらいなのだろうというところ、基本的な考え方をご説明します。

家を設計するにあたり、一般的にはいくつかのルールに従って設計をします。(ここら辺はある程度共通) そのルールの一つがモジュールと言われる基本的な寸法ルール。 3尺グリッドとかメーターモジュールとか言われるものですが、普通の家はこの規則に従って計画するのが一般的。 部屋の大きさ○○畳というのは、この規則の中から生まれるわかりやすい指標の一つなのです。

暮らしの工房の基本モジュールは910mmを使っています。 この数字を3で割ってみたり、2で割ってみたりしながら計画しているのです。 建築設計をする上では基本中の基本であり、熟練のあえてこんな法則に縛られないという設計者でない限り、このルールを逸脱すると素人設計と一緒になり、余計な費用がかかってしまうこともあります。

それほどモジュールというのは大事なことで、それは身体寸法(ヒューマンスケール)から導き出された寸法で、いろいろな建築材料もモジュールに合わせて作られ、畳の寸法もこの寸法から導き出されています。

これを無視すると、ヒューマンスケールが崩れて使いにくくなってしまうことや、材料の特注、ムダが大量に発生してコストアップの要因になってしまうなど、悲惨なことが起こるのです。 だからよほどの熟練された設計者でない限り、このルールは安易に崩すことができないのです。

そんな大事な大事なモジュールを使いながら設計するのですが、このモジュールだけでは現在の家はできません。 ここからが設計者の考え方によるところが大きい。 そこで暮らしの工房の考え方を少しご紹介。 設計をする際、人とモノの距離というのを大事にしています。 家にはたくさんの家具が存在し、人の動きがあります。 このモノと動きの整理を大切にしているのが設計の特徴の一つです。 同じLDK20畳だとしても、その整理の仕方で広くもなるし、狭くもなると思っています。

下のプランを使ってどのように考えているかをご説明。 LDKに納まるものとしては、キッチン、キッチン収納、ダイニングテーブルやダイニングチェア、リビングソファなどがあります。

そこには当然人の動きが伴い、人の居場所が関わります。 キッチンからのサービスがどうか、ダイニング周りで人が動き回れるスペースがあるか、くつろぐソファと動きのある場所との距離はどのぐらい必要か…など。 モジュールで作られた箱の中に、人の動きと家具の配置を計画して、狭すぎず広すぎずの適度な距離感というのを計画します。

このプランで薪ストーブという要望があったなら、このスペースでは足りず、もういくつかグリッドを付け足し薪ストーブと人との関係を成立させるなどするでしょう。

このように、基本的には部屋の大きさで計画を終わらせるのではなく、家具などのモノとそれを使う状況のヒトの関係を考えているのです。

次に個室の考え方。 設計するにあたり、個室にはどんな役割があるか検討する必要があります。 ほとんどの人は「寝るだけの部屋です。」と言われるのですが、寝室を寝るだけの部屋として考えると寝具によるサイズで決めることができます。

シングルベッド一つなら3畳あればベッド周りに余裕ができる。 ダブルベッドなら4.5畳。 シングルベッド2つなら6畳。 これが最低限必要な大きさです。 寝るだけの機能であればこれで十分だと思いますが、そこにクローゼットがついたり、収納がついたり、デスクスペースをどう設けるかなど、プラスしたり、別の場所に設けたりしながら決めていきます。 これが基本的にモノとヒトの動きから見た適度な寸法。

このようにして考えると、小さくてもストレスなく使い勝手良く暮らすことのできる住まいになると思うのですが、土地が高価すぎる都会の狭小地の家づくりでもない限りは、究極に小さくつくるということはしなくてもいいのでは…と思います。

そこで暮らしの工房が考える大事なことに、「余白を考える」ということがあります。 基本的なサイズを落とし込みながら家を設計すると、家の中や敷地に余白が生まれます。 この余白をどう活用し、どんな役割を与えるかが、そこに住まう人らしさであり、楽しさにつながる部分なのです。 その中で定番の活用方法としていくつかご紹介。 小さなこもれる畳スペースを設けて、読書や昼寝部屋などゆったりとする居場所にする。 駐車スペースを建物内に組み込んで一体化させる。 デッキを大きく張り出してソト空間を楽しむ。 敷地の余白に庭木を植えて楽しむ。 など、少し違うスパイスを入れ込むことが、小さくても豊かに暮らす秘訣になります。 部屋の大きさ、スペースの大きさをつくるというよりは、上記の余白にどんな楽しさを与えるかがとても大事なことではないかと感じています。

そのように家をつくっていくと、結果的に、勝手にコンパクトに納まっていくのが暮らしの工房の家づくりです。

このような家は、4人家族だとしたらほとんどが30坪以下の床面積で出来ています。 内容としては、LDK、寝室、子供室2部屋、お風呂、洗面脱衣室、トイレ、サンルーム、外収納が基本です。

収納がないじゃないか…と言われますが、納戸という何でも押し込める収納部屋は特別なモノがない限りは設けないようにしています。それは納戸の奥底に入れたものは絶対に出番はなく、本当は不要なものが多いから。 そんな不要なものに大事な暮らしのスペースを占領され、スペース分のコストをかけるのがもったいない。 使わないモノを有料のレンタルスペースに預けているようなものなのです。そして、新築の場合レンタルスペースよりも割高です(笑)

収納に関しては、モノは納まるところに納まるように考えないと収納できない。と考え、適材適所、作り付けの収納家具等で収めるようにしています。 また、家族によっては仕事をするスペースが必要だったり、仏壇がいるような和室が必要だったり、頻繁に来客が来るようなら客間となる場所も必要だと思います。

そういった場合は、必要性やどこかで兼ねることが出来ないか、専用として必要かなど、具体的にお話しながら考える必要があるでしょう。 本当にいるかいらないかの判断は、住まい手にしか判断出来ないのです。 そんなお話が、設計打ち合わせの中で繰り広げられ、検討されて、家がつくられていきます。

暮らしの工房の考え方の根底にあるのは、住まう人が楽しく心地よく暮らせることに力(コストや面積、思考など)を注ぐべきで、ストレスなく暮らすことのできる家づくりを提供したい。ということです。


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