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コラム
column

境界を考える。外の庭を共有できると街並みになる。

家の設計とはどんなことを言うのでしょう?

家の中のことを考える、間取りを考えること。

普通の人ならそう考える人がほとんどであり、設計業務に従事している人もそう考える人が多いのではないでしょうか?

その設計という作業を細かく見ていくと、「設計とは色々な境界を考えてあげること」なのだと私は考えています。

 

家で境界と言えば、真っ先に敷地の境界を思い浮かべると思います。

もちろんそれも境界の一つですが、人と人の境界、ものとものの境界、部屋と部屋の境界、内と外の境界、温度の境界、光の境界などなど、考えなければならない境界は無限にあると言ってもいいでしょう。

「境界を考える」というのは「つながりの濃度を決める」ということです。

強くつながるのか、弱くつながるのか、全く遮ってしまうのか、そんなことを決めるのが設計だと思います。

そして、大きな境界から小さな境界まで無限にある境界をどの範囲まで考えられるかが設計の良し悪しなのではないかと考えながら家づくりに当たっています。

たくさんの境界が考えられている住まいは実際、気持ちがいいのです。

 

先日、現場で色々と打ち合わせをしている時に、お隣の住まい手さんから声をかけられ、現場に隣接する空きスペースについて色々と考えている旨を聞きました。

畑にするか、庭にするか。。。どうしようか悩んでいる。とのことで、「こっちはどうなるの?」と現場の計画を聞かれました。

私の現場はお隣さん面にも庭木を植え、外部を楽しむ計画であることを伝えると、「似たような庭木でつながるとお互いにいいね。」となり、後日相手方の造園屋さんとも軽くイメージを共有。

普段は外の環境を家の中で存分に楽しむため、暮らしの豊かさを求めるために庭の大切さや計画をしていますが、お隣さんとイメージを共有してお互いの敷地を作り上げるというこの状況は滅多にないことです。

お互いがWINWINの関係を作ることができるのが、庭を設えるということ。

境界を大切に設計していることが、敷地境界を超えて広がりを見せる形になりそうです。

間取りだけを計画して建てて終わりにしていたら、お隣さんと意思の疎通は取れてなく、このようなつながりになることはなかったでしょう。

今まで積み上げてきたトータルコーディネートの家づくりが、意外な形でつながりを見せてくれました。

一つが二つに重なり、そうやって街並みができてくる。

そういう意識の住まい手さんが増えれば、住む環境がよくなる。

少しだけ暮らしの工房のビジョンに近づけた、そんな気がしました。

 

 


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