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コラム
column

建築家伊礼智さん設計の魚沼の家を見学。

建築家伊礼智さん設計、フラワーホームさん施工の魚沼の家をついに見学。

伊礼さんの最終チェックに同行というまたとない機会。

とてもワクワクした気持ちでお伺いしました。

フラワーホームの藤田社長、ありがとうございました。

プランは4.5畳を1グリットで構成された単純明快な構造。

4.5畳は人が集う最適サイズだと思う。

その集合体にそれぞれの居場所や役割が散りばめられている。

インテリアは総杉板張り。

単純な構造、構造現し(真壁)、杉板張りと聞くと、無骨で荒々しく男らしいコテコテした印象を受けるけど(写真で見ていた時は伊礼さんのこの感じが想像できなかった。。。)、空間を体験すると繊細で、きめ細やか、エレガントできっちり伊礼さんの空間になっていた。

こういうのがディテールの積み重ねなのだろう。

上品で上質な心地よい空間に声も出せず見学していると、「岡沢どこいった?」ってなってたらしい(笑)

いい意味で期待を裏切られた感覚が、一切声を出せなくしてしまいました。

単純明快な構造の中に、いくつかの壁や部屋が、建具が配置され人を交通整理していく。

ダイニング横のボックスは階段があり、玄関から入った人をキッチン側とリビング側に分ける。

その他にも裏動線や回遊動線があり、頭の中が追いついてこない。

平面上、構造上はものすごくシンプルなのに、内部の実体験として複雑に動いているので、とてつもなく大きな家なのかと錯覚してしまう。

それが楽しく、とても機能的。

シンプルな中に複雑さを持つことを自分の設計でも考えているけど、こういった経験をするとやはり楽しく突き詰めたくなる。

気になる箇所はこの階段。

階段というか、1階と2階の繋がり。

2階建て+ロフトというごく普通の家。

だけど、階段が低く短いせいで2階の距離感が近く感じる。

2階の床と1階天井がJパネル一枚で構成され、グッと階高を抑えている結果、1階と2階との距離がとても近く感じる。

小屋裏へ上がるような感覚。(2階は大きな広がりがある)

それが小屋感、山荘感をとても強く感じました。

暮らしの工房の住まいも階高は低い方だけど、低くする今までと違った効果を感じられたのがとてもよかった。

吹き抜けも距離が近いからより親密に。

 

魚沼の家は、フラワーホーム藤田社長の住まい。

伊礼さんへの設計条件として「吉村順三の軽井沢山荘が好き」というのがあったとのこと。

日本の住宅の名作。私も大好き(笑)住宅をつくりたいと思ったのが軽井沢山荘だから。

軽井沢山荘の流れからか、片流れ、外壁は杉板押縁押え。

負荷断熱を施し、タニタハウジングウェアの屋根一体型ソーラーパネル・エコテクノルーフを載せてZEHとなっている。

山荘がハイスペック機能を搭載した、現代の山荘。

周辺環境と相まって、別荘のような非日常を感じられる住まい。

開口部周辺にソファを設け、景色を眺めながら佇む時間は格別。

休みの日にはずっと家に居たくなる。

デッキと手すり、崖の繋がり、浮遊感が軽井沢山荘の開口部をイメージさせる。

この景色は春夏秋冬美しく室内に飛び込んで来るのだろう。

感動できる住まいって本当にいい。

設計がもっともっと上手くなりたい。

誰もが心地よく、感動できる住まいを提供したい。

そのために日々精進!!

 

 


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