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コラム
column

家の間取りを考えるとき 「どれだけ廻れるか!!」が重要。

ずっと意図的に家を設計してきて、実際に暮らしてみて効果が絶大だなぁと思うことの一つに「廻る動線」があります。

家の間取りを計画するときには部屋(間)の陣取り合戦ではなく、「どうつなぐか」という間と間の取り合いを考えることが大切。

その上で暮らしの動線を整理しながら、表から入ったと思ったら裏へ出たというような動線と、ゆっくりとどしっと腰を据えられる包み込まれる空間というのを意図して計画しています。

この計画が平面図の良し悪しを決めると言っていいし、暮らしやすさの良し悪しを決めると言ってもいいと考えているので、毎回どのように廻れるかというのを重点的に考えています。

これを自然に無理なく、違和感なく整合性をとってつくりあげることがとても難しい。

そしてこれを一般の人が平面プランから読み取ることが難しいので、家づくりをされる方は注意深く間取りを見つめながら、間取りの中に自分が入って動き回るように見てみるといいですよ。

見学会等で体験すると想像していなかったところへ出て迷ってしまう。「えっ!!この部屋から水回りに出た」と使い勝手を想像して見たり、さっき入ってきたのに「この部屋はなに?」って戸を開けて「あっ!!さっき見た」となったり、家の大きさが無限になることも。

家の間取りで「廻る」というのは楽しく、とても重要です。

上記プラン(プレゼン時に2案あって、一つをボツにしたボツ案で・・・悪くないプランでしたが大きくなりすぎた。)で説明。

キッチン周りの廻れる動線は大勢で暮らす家族には必須です。

一人のコックピットのようなキッチンもいいけど、どうしても冷蔵庫周りやちょっとした食器をとったり色々と出入りの多いキッチン。

キッチンで作業している人のストレスにならないようにキッチンに出入りできることが重要で、そのために廻れる動線があると逃げ場の余裕ができるので作業性が上がります。

 

最近の設計で特に意図的に設けているのが、寝室、クローゼットと水回りを繋げるパターン。

洗濯を干してすぐにクローゼットにしまう。その便利さは予想以上に効果絶大。

ただ洗う、干す、しまうをくっつけるのではなく、クローゼットのいてほしい位置に設けることが重要で、寝室との親和性も高いのでセットになるパターン。

さらに寝室と水回りが近くにあるとホテルのような使い方になってとても便利。

水回りと寝室が同階に存在しなければならないという条件下ではあるけど、LDKと水回りが近くにあるよりも暮らしの実感としては寝室が近くにあったほうが便利だと暮らして感じています。

 

玄関は余裕があればシューズクロークのような裏口を設けることもいいでしょう。ただし、キッチンや寝室、水回りの連携と比べると優先度は低くても構わない気もします。

重要なのはキッチン裏動線と玄関や勝手口が近いというほうが重要だと思います。

シューズクロークの裏口があると日常使用の靴が玄関に散乱していることは無くなるという利点はあります。

このプランの場合は、ちょっとした仕事ができる事務所スペースを設けているために玄関を介して事務所スペースが設けられているプランです。

 

最近は車庫スペースとアプローチを分けて、家への導入部分でハレとケをつくりあげることも意識しています。

普段使いの使い勝手のいい車庫スペースへの最短アクセスと、来客への家の顔をなるような楽しいアプローチ。

この使い分けも雪国の家づくりには欠かせない要素かなと思うようになりました。

 

ちょっとした心づかい、気の止めようで家の良し悪しが大きく変わってくるような気がします。

家づくりを計画している方はぜひ、「どれだけ廻れるか」「効果的に廻れるか」ということを気にして間取りを見てみると、できた後の暮らしが快適になりますので、是非ともポイントを押さえて計画してください。

間取りは「間の陣取り」ではなく「間と間の取り合い」です。


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